セビージャ通信

2015.08.04 update

「サクラ・フラメンカ」2015

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世界中がブルームーンと注目していた731日、月夜の下、グラナダの中庭にて、日本人フラメンカ4名の踊るフラメンコがありました。

昨年に続く同じ顔ぶれのサクラ•フラメンカたち。

日本在住ギターリストのエミリオ•マジャが、

故郷に錦を飾るべく、大和撫子4人をグラナダのフラメンコフェスティバルのステージに立たせました。

今年は、歴史的にも重みあるイスラム教時代14世紀に穀倉だった、現在「コラル•デル•

カルボン」の名で知られる中庭にて。

 

エミリオのギターソロの後4名が順番に踊りました。

まずは吉田久美子さん。

和弓の世界でも一人ずつ打つ団体戦では、最初に「大前(おおまえ)」と言って、活きの良い中(あた)りどころをムードメーカーに置き、勝ちモードに持って行きますが、まさにそんな感じで、

がっしりと観客をつかんで、日本人のステージが勢いに乗りました。「よっしゃ!」と叫びたくなる「オーレ!」。

観客は地元のフラメンコ好きグラナダ人と、

何も知らずにフラメンコを見に来た外国人観光客ですが、初っぱなからのハイレベルな踊りに驚いてる様子でした。

昨年のバタデコーラで踊ったアレグリアスとは全然違った踊りの、正面から勝負に出た感じのシギリージャでした。

 

2番目に、真っ白なバタデコーラにトルコブルーのマントンをまとって登場したのは大塚香代さん。

正統派で上品でかつ小技技術の高いアレグリアスをお披露目。

「ケ・ボニート!」とつぶやくスペイン人女性の言葉が私の耳もとまで届き、

エレガントさにうっとりしていた客席の女性たち。スペイン人こういうの好きですよね。

 

そこに次、荻野リサさん登場。ソレア。

これ、自分が踊っていないのに、まさに自分の中の溜まってるものをリサさんの踊りが入り込んで、外に出してくれたスッキリ感。「ありがとう!リサさん!」と心で叫んでしまいました。

地元人の一段と増したハレオで、客席の皆も同じく入り込んでるのがわかりました。

美しくかわいい白雪姫に毒リンゴ持った魔女が乗り移った感じでビジュアル的にも「いいね!」でした。

 

最後は女将、浅見純子さんのタラント。

紫色のシャンタン生地に縫い付けた大きなカーネーションの装飾がそう思わせるのか、

ステージに立つ彼女の姿に被るのは、マヌエラ•カラスコ。ちなみにこの衣装は特にセビージャのソニアジョーンズ工房の思い入れある衣装ですから。。。。嬉しいですねえ。

女王カラスコに対して、こちらのフラメンカは、どこか三蔵法師や観音様を思わせるのでした。

これは人間性なのでしょうか。

そして写真を撮ってて気づきました。

動きと表情にバリエーションが誰よりもあるのです。

360度使って、エンターテイナー要素のサービス精神バッチリで客席を楽しく盛り上げるコツを抑えたやっぱり団長さんか?!と思わせる客席を取り込んだ踊りでした。彼女のステージのスペース意識が客席まで範囲に入ってる感じです。さすが。

 

最後はフィンデフィエスタに地元のヒターノたちが友情出演で歌って踊っていましたが、

サクラ・フラメンカの大和撫子度は高く、

地元のアーチストをたて、誰一人として自分だけが目立つようなことはしない繊細な奥ゆかしさの配慮がわかりました。

でもパルマとハレオの引き立ては完璧で。

これでやっぱり日本の葉っぱの香りの高い渋い緑茶が飲みたくなったわけです。

日本人しか知らない香りの美味しさ。

サクラ・フラメンカの桜って、桜餅の香りかなあ〜とか思いながら。

この4乙女たちにはずっと頑張って欲しいですね。

桜の花びらって5枚ですよね?

やっぱりエミリオ入れた5人がメンバーですね、きっと。

 

Text & Photo /Mayumi Shimoyama
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