KOMONOBATA
2022.02.07

メトロパラソルという正式名称を持ちながらセビージャ人は誰もそうは呼ばず、
「きのこ」のスペイン語「セタ」の愛称で浸透しています。
まだ出来上がって10年ほどですが、
上部はセビージャを一望できる展望台になっていて、地上階は市場です。
地下はもともと駐車場作成のつもりで掘り起こしていたらローマ遺跡が出てきたので、そのまま予定変更で遺跡をお披露目する博物館となったのでした。

そこに共存してイベントスペースがあるのですが、その場所で今、
日本の着物とスペインのバタデコーラをフュージョンさせた「KIMONOBATA」という名の衣装の展覧会が行われています。
16世紀に日本から支倉常長と一緒に来た日本人たちでこの地に残った人たちの血を引く「ハポン」姓の人たちに敬意を称しこのKIMONOBATAの展覧会が行われました。
それぞれの衣装にQRコードで解説があり、各衣装に携わったアーチストの紹介も付いています。
セビージャの地元人だけでなく、スペインの他の土地や、日本の福島の専門学校生や先生たちも携わっていたり、実にインターナショナルでユニークな人種の集まりからなる作品の数々。
ちょっと印象的だったアーチストのコメントの一つに、18歳で耳が聞こえなくなった女性が「自分の外の音が聞こえなくなった分、自分の内側でより音を感じるようになった」というコメント。。。
参加アーチストの年齢も88歳に値する生年月日のスペイン人もいらっしゃいました。
それぞれの着物とバタデコーラの混合の作品にはテーマがあります。
SDGs、2030アジェンダはご存知でしょうか?
2030年に向けての国際的な改革と言いましょうか、、、。
国連や外務省で詳しく表記があるので、そちらでご確認いただくとして、
そこに掲げられている17のゴール(テーマ)に沿って17着がお披露目されています。
海底から拾われたプラスチックをリサイクルして材料にしたり、色々な工夫とメッセージが含まれた作品たち。
貧困脱出をテーマにしている衣装には手描きでセビージャのトレスミルの住宅街の風景が描かれているというのもありました。
これらは次、日本へ移動し、
3月15日から27日まで神戸ファッション美術館にて開催されるそうです。
2030年に向けての17の改革の詳細はここでご覧いただけます。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/statistics/index.html
この2030に向けての目標を達成できれば、世界に12兆ドル(1200兆円ほど)の経済価値、3億8千万人の雇用を得られるのだそうで、、、。
小さなことからコツコツと、、、かな、と思ったのでした。
この展覧会のビデオはこちらです。
Text/Mayumi Shimoyama
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