エル・フンコ

2021.07.16

もう学校関係も夏休みに入りまして、9月までバケーションです。
それに合わせるかのように、スペインでは屋外で1,5mの距離を保てる場合のマスク使用義務が解除されました。
なので、犬の散歩、ジョギング、そして一番この時期に重要なポイントとなる「海」でのマスク着用無しで大丈夫、などという生活の中での少しずつ解放される喜びは、この先に徐々に社会が正常化してくるに違いないという皆の大きな期待へと繋がっています。
スペイン国民の40%がコロナワクチン接種済みということから、少しずつ心理的にも皆解放されて来ているようです。
そんな中、セビージャの中で唯一営業を通常通り開始したというニュースになっているタブラオが一軒あります。
観光地にも外国人観光客が少しずつ戻って来ていますが、ほぼ全員ヨーロッパ人と言ったところでしょうか。東洋人はまだ見かけません。
ふらっと散歩してそのタブラオの前を通ると入り口に本日のアーチストの看板が。
踊り:エル・フンコとスサーナ・カサス、
カンテ(歌):エル・ガジとクリスティーナ・トバル、
の名を見つけ、日本のタブラオ「ガルロチ」に行ってた方々では!!!
久しぶりのタブラオ観賞、いえ、「鑑賞」してきました。芸術です。
スサーナがカスタネットでシギリージャを踊りました。この音色の素敵なこと。
少し話が脱線しますがひとつ。
私はこういう公共な場で個人的な意見や価値観で読者に先入観を与えてはいけないと思うため、ネガティブなことを書くのは好きではないので、まず書かないのですが、今日は一つ書きます。これはいつの日か公に歯向かうつもりがあることなので。
世界中、各地に交響楽団(オーケストラ)がありますが、セビージャにもあります。大きな活動してますし、セビージャという街は多くのオペラの舞台になってますから、セビージャのオーケストラの存在は大きいです。が、
先日もオペラ「カルメン」観てきましたし、その前にもギターのラファエル・リケニ(フラメンコやクラシックのマルチギターリスト)がセビージャのオーケストラと組んだ劇場コンサートを行ったので観てきたのですが、ここセビージャ、カスタネット本場のこのセビージャでですよ、セビージャのオーケストラが奏でるカスタネットの音、もう私は許せないのですよ。世界中のどこの土地の交響楽団の打楽器に同じで、一般的な楽団用打楽器、平凡なカスタネットを使用。タンバリンやシンバルに同じく、世界中の楽団と同じ一般的な打楽器のカスタネットを使ってて、カスカスな音で打ち方もただ振るだけで鳴るやつですかね。それ使ってますからね、セビージャの交響楽団。スペイン音楽無視って感じですね。メンバーだってほぼ外国人ですしね。まあそれはここでは置いといて、、、とりあえずそのカスタネットの音色と鳴らし方でムカついてしまって毎度、、、。ここセビージャなのに。カスタネットの街ですよ。
そんなのが続いていたところに、
スサーナ・カサスの天女のようなカスタネットの音色と滑らかな高度なリズム。
セビージャのオーケストラよ!スサーナ・カサスにカスタネットの演奏を頼んでください!少なくともカスタネットの専門家を入れよ!!!と私は機会が有れば本当に言いますから。セビージャですからね。カスタネット重要です。スペイン音楽をもっと大切にせよ!って言いたいですね。
で、ここタブラオで素晴らしい本物のカスタネット音楽がお披露目されているわけです。
スサーナのカスタネットで癒されて、気分最高なところに、
エル・フンコのアレグリアスが続きました。海の街カディスの男爵エル・フンコのアレグリアスは最高ですね。最近タブラオという場所にも関わらず枠を超えた妙な踊りをするバイラオールが批判されたりする中(ちょうど数日前にマドリーのタブラオのステージで芋虫みたいに転がってる踊り手のビデオが大クレーム受けてましたけど)フンコは決してフラメンコの枠からはみ出ることなく100%フラメンコなのに、ユーモアもあり視覚的にも聴覚的にも高度な技術で芸術度も高く、全てにおいてバランスが良く、人としても素晴らしいですし、スペインが誇る踊り手だと思います。美しいし。「早くその体型乱れて欲しい!そんなフンコの踊りも見てみたい!!」と個人的にどこか思うのですが、どうも彼はこの美しいまま「おうじ様」から「おじ様」となっていくようですね。笑
そんな粋なフンコのアレグリアスに、カンテのエル・ガジが、鼻と口を使って海の音の効果音を出してまして、どう聴いても海の波の音なのですが、目の前で見てしまってたので、後から「偶然にも海の音に聞こえたけど、もしかしてただ鼻水出てきてすすっただけだった????」なんて本人に聞いてしまったら「効果音なんですけど〜」とハリセン受けました。

偶然にも、当日クリスティーナ・トバルがステージで着ていた衣装はガルロチに行っていた時にソニアジョーンズでゲットした衣装だそうで、お気にいりでいつもステージで着用しているのだそうです。
スサーナの着ていたブラウスもソニアのものでした。
オレンジ色のファルダはお母さんが作ったものだそうで、
お母さんが衣装を作るとか、自分でミシンで作るとか、そういうバイラオーラ、意外と多いような気がします。
お母さんが作ったというの、よく聞きます。全身に愛がこもってステージに立って、涙するように喜びや悲しみを全身で表現するフラメンコ。「わびさび」ありますよね。それらは今度また字数の許される際に、ということで。

フンコからも日本の皆さんにメッセージがあるとのことで、
「ビデオ回せ〜!載せておいて!」と言われたので、ここにアップできるのか、載せておきます。日本のタブタオに早く戻りたいということですね。
あとどのくらいかかるのでしょうかね。でも時間の問題かと、、、。フンコ、切願してます。

Text/Mayumi ShimoyamaCopyright

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